時々、必要に迫られた食。


by mutsu-toru

ドリア

イタリア貴族のために作られた料理。それがドリア。
グリグリとほじくって、穴をあけるもの。それはドリル。



甘い香りのするミルクソースをご飯にかけた鍋をY嬢がオーブンに入れて数分が経つと、台所ではある会話が始まった。

「ねえねえ、君、オーブンはさぁ、やっぱりさぁ、魔女の宅急便だよね」

「うん、そうだね。うふふ。あのニシンのパイだよね。てへへ」

「ずぶ濡れになりながら、届けたのにねぇ・・・。あの娘、孫だったよね、あのわがまま娘、ひどいことを言ったよね。」

「またニシンのパイ?!私、嫌いなのよね、これ。」

「そうだよ、なんてひどいことを言うんだ。ぷんぷん。」

「でもねでもね、ああいうことを言うあの子はね、あの冷たい心を持っている子はね、ちょっとかわいそうかもね。」

「そうだね。ニシンのパイに込められた温かさをあの子はまだ知らないのだものね。かわいそうだね。」

「お料理はね、味も大切だけど、でもね、その中に込められた心ね。大事ね。」

「そうだね。」

しみじみ・・・・しみじみ・・・・しみじみ。



やがてチーズが程よく焼けたのを確認したY嬢が、ドリアを取り出すと、我々は息を呑んだ。プツプツと音を立てるクリームソースに皆が注目した。MUTSUが言った。「すすすすすすすっすっす、ごい。」

我々は仲良く小皿に取り分けて、美味しく頂いた。心が温まる食事だった。
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by mutsu-toru | 2007-04-11 16:29 | Visita